恋と欲望

タイトルだけはミョーに生々しいですが、内容
はR指定ではありません・・・あしからず。

2年前の今日、私は戸籍上「妻」になった。
結婚式は10月だったが、住居の契約の都
合で入籍の必要があり、先に籍をいれたのだ。
一応大安の日だったし、828という「山本
山」な数字のゴロで覚えやすかったので（私
の誕生日も6月26日なので山本山だ）この
日にした。が、平日だったため互いに仕事を
終えてから駅で落ち合い、区役所の夜間窓口
に届けを出しただけというあっけない感じだ
った。その後で駅前の寿司屋でにぎりを食べ
てビールで乾杯したんだよなあ、確か。
あの頃は今より楽しかったかも知れない。
だって結婚生活って、薔薇色じゃないもん。
かといってお先真っ暗でもないけど。（笑）

若い頃、「恋愛と結婚は違うよ」と偉そうに
話してた既婚者のひとを見て「ちゃんと恋愛
を成就させた上での結婚じゃなく、妥協した
自分が悪いのに言い訳をしてるのか、この人
は。」とバカにしていた私だったが（なんて
怖い女、って思います？すみません、若気の
至りでして。）今ならばその言葉の意味が少
しわかる。

この2年間で、私から「恋心」と「欲望」が
どんどん減っていった。なぜだろう？
恋心というのは夫以外の男性との恋愛ではな
く、「ときめきやウキウキと弾む気持ち」そ
のものがあまりなくなってしまったのだ。
外見や内面を現状より良く見せようと（見栄
っぱりなんだな）努力したり焦っていたりし
ていた時のほうが、心の触角みたいなアンテ
ナが張り詰めていた気がする。結婚してから
は「まあ、このまんまでいいや。」という怠
慢な自分になった。そのくせ「シロガネーゼ」
な奥様方が紙面を飾るファッション誌を立ち
読みしては「ハイソなマダムになりたかった
なあ」などと隣の芝生を羨ましがったりして
いる。かといって努力するわけでもなし。

「欲望」も結局は同じことで、昔の私は貪欲
な女で常に「人に話したら楽しんでもらえそ
うなこと」「自分が楽しいこと」を追求し、
情報を得る為に雑誌を読み漁り、街へ出かけ
心を潤すために映画を観たり美術館に行った
りしていた。今は正直言って目的がないブラ
ブラ歩きは面倒くさく、人間の本能である5
つの欲望（でしたよね？）のうちの「食欲」
と「睡眠欲」だけがとんでもなく高いが後は
平均以下？！になったように思う。仕事をし
て、家事をして、パソコンで目に見えない友
達と交流し、時に実際の友達と会って話をし
たり、夫や自分の実家に連絡を取ったり。
もうそんな毎日でいっぱいいっぱいで、欲し
いものも「実用的なもの」ばかりになり「喉
から手が出るほど欲しい！」という感情がな
くなったみたいだ。まあ、欲しくても買えな
いからあまりモノを見ない様にしているだけ
か・・・。

家庭がある人でも目標とか夢がたくさんある
かたは大勢いらっしゃることでしょう。
マイホームを建てるとか、家庭菜園を作ると
か、ペットを育てるとか・・・。
今の私にはそういう欲も特になくて、また、
何かの為に努力をしたりする前向きな気持ち
にもなれずにいて。
まだまだ人生は半分以上あるのだから（たぶ
ん）くすんでいる心をそろそろ磨かないと！
・・・こんなことを考えた入籍記念日だった。